前回は、構造設計の(データと構造)について学びました。
今回は実際にカスタムAPPを作るための基本的な流れを学んでいきます。
作成工程
カスタムAPPを作るには「システム開発工程」といういくつかの工程があります。
- 企画
- 要件定義
- 設計
- 開発
- テスト
- リリース
- 運用
これだけの工程が必要ですが、もう少し分かりやすく解説します。
なにを(役割)
なんの作業のためにカスタムAPPを使うのか、どのようなデータを取り扱うのかを決める。
「方向性」「カスタム App の役割」「データ」について考える。
⇨仕組み(構造)の基本的な設計を行う。
<使い方>
どう使用するかも考える。ユーザは 1 人か複数人か、クライアントはパソコン、FileMaker
Go、Web ブラウザのうち 1 種類なのか複数種類なのか、など。これを最初に決めておかないと後に、機能や画面の作成に影響がでることも。
さらにハードウェアの準備や、ライセンスの追加購入も必要になるかもしれません。
どのように(必要な機能)
「なにを」で考えた役割を実行するのに必要な主となる作業を考える。
「機能」について考える。
⇨主作業のために必要な機能、そしてその周辺の機能……と考えていく。
<機能の検討>
機能は大きくわけて起動・入力・蓄積・検索・表示・集計・出力(印刷、書出、保存)・終了に関するものがある。そして、必ず『こんな結果が欲しい』だけではなく『どうしてその結果が必要なのか』も合わせて考える。『なんのために(理由)、どのような結果(目的)が必要なのか』が重要。
<適切な取り扱い>
データは『目的に応じて』適切に取り扱うことが重要である。そして目的には理由がある。両方揃うと機能の内容を決めるときにわかりやすくなる。さらにユーザとクライアントも想定しておく。
例 習い事の生徒への連絡(理由)のために生徒情報で住所が「東京都港区の人だけ」を取
り出したい(目的)場合、検索機能と印刷(A4 縦サイズに 2×6 のラベル)や書出(決まった
フィールドのコンマ区切りテキスト)機能をパソコンからできることが必要だと考えます。これ
が機能の設計です。
<考えた機能をどのように作っていくか考える>
一から作るのではなく、「あらかじめ用意されている機能」「スクリプトでつくる機能」など利用し効率よく作成する方法を考える。
必要な機能を考えたら、ファイル、テーブル、フィールドを作成。
どう表すか(表示)
役割、データの構造、機能までが決まったら、データを表示したり機能を使うために画面が必要。
画面にデータを表示する場所である「レイアウト」を考える。
自分あるいは他のユーザにとって、どのような表示が必要かを基準に考える。
<画面ごとに必要な機能>
どのレイアウトでどの機能を使うかについては、実際に自分がユーザとして使うことを想像しながら考えていく。レイアウトと必要な機能を並行してつくりはじめるとわかりやすい。
完成
カスタム App の完成後は、必ず役割や機能の目的や理由に対して動作が思った通りか確認してから、実際に使いはじめる。
「テスト」と「リリース」を行う(作成作業完了)。
ハードウェアやアプリケーションの準備も必要。そして、それらがすべて準備できたら運用を開始する。
<テストで確認>
必ずテストをおこなう。エラーがあったら大事なデータが変わってしまうかもしれないため、考えた通りに動作するかどうか確認する。確実に動作することは、とても重要。
<守りたいもの>
バックアップをどうやっておこなうか、2 人以上で共有が必要か、アカウントとパスワードが必要かどうかなど、実際に使うために決めることがある。
<カスタム App の「運用」>
簡単に言うと、できあがったカスタム App を安定して使い続けられるようにすること。
気をつけることは『いま運用されているカスタム App』への変更。いきなり変更して失敗すると後が大変なため、テスト用ファイルを用意して動作や結果などを確かめてから、運用中のカスタム App に変更をおこなうこと。
コメント